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韓国から感動のひと口小話(6)2023年03月01日

ボタンの掛け違いの日韓関係

人間関係の不具合や不正常な姿を指す時も‘ボタンの掛け違いと申しますね。国内のメデイアなどでは「日韓関係はかつてないほど最悪な状態」などと騒ぎ立てていますが、決してそんなことはありません。両国民の人的往来は拡大していますし、在韓生活40年に届く私共夫婦もまことに麗しい交流が途絶えることはありません。ただし悪化することを喜んでいる一部の人がいるだけのことなのです。
 日韓関係でのボタンの掛け違いは文字どおり最初の出だしからつまずいていたのです。敗戦後(韓国では解放後)やっと両国の政府代表が国交回復交渉のテーブルについたと言うのに、36年間もの残虐な侵略統治に対する日本側からの遺憾表明や謝罪の言葉が一言半句もなかったことへの強い抗議と、日本側の日韓併合(武力侵略)の正当化という硬直した態度一点張り等で中断と再会を繰り返した末に、15年もかかって日韓国交回復の議定書が取り交わされたものの、有償・無償合わせて5億ドルが日本政府から韓国側に渡ったのですが、本来、日本政府は‘賠償金’として支払うべきものを、かたくなまでに‘経済協力資金’にこだわり、植民統治の中身は徹底した韓国の民族抹殺政策が強行されました。
 韓国側は、大変な不平等条約を、経済協力資金と共に飲まされてしまったのです。永楽教会の韓景職牧師を始め、代表的な牧師方200名近くが同教会に集まって大々的な反対運動を行ったのも無理からぬことでした。
 日本のある日刊紙の紙面に「過去の植民地支配の過ちを深く後悔し、早急な関係正常化がなされるように最大の努力を尽くします」との、李承晩初代大統領宛の岸信介元首相の決意が紹介されていましたが、現政府当局者は心して先達の警告に耳を傾けるべきです。