お知らせ・ニュース

韓国から感動のひと口小話(7)2023年03月07日

もうずっと以前のことですが、ソウル日本人教会に韓国警察OBのHさんという方が熱心に通っておられました。挨拶程度の日本語を駆使して、私ども日本人との交わりに積極的な姿勢がよく現われていました。もちろん私服で来られていましたが、教会に通われる動機を伺いましたら、「全家族を上げて、我が国に謝罪と和解のためにお越しくださった牧師さんのご家族に、もしものことがあっては大変なので、第一は礼拝に参加することですが、それと同時に、お目付け役のようなことができましたらと勝手に考えて来ているのです。」
 こうおっしゃって、いつも礼拝堂の最後部にすわっておられました。「かつて日本軍人が韓国で仕出かした蛮行を仇討ちしようと思う者があるいはなしとはせじのご時世ですからね」とも付け加えられました。

それで、このHさんがしばらくお見えにならなくなって、お体が悪いようなお話も耳にしましたので、一度お見舞いにお邪魔したいと祈り備えていた折しも、奥様からお電話があり、「主人が召され、遺言によって吉田牧師さんにぜひ告別式の司式をしていただくように、という指示がありましたのでお円買いいたします」とのことでした。

私は遺言の件は全く存じ上げなかったのですが、ことがことなので万難を排して野辺の送りをしてさしあげたいと思いました。けれど当時、日本からの毎週のように続く韓国歴史研修訪韓団(歴史体験スタデイ・ツアー)の企画・進行・セミナーの3点セットが数か月先まで予約・準備されていたため、予期せぬ突発の要件には首が回りませんでした。祖国日本の父母の最期にも駆けつけられないぐらいでしたから…
 事情を話してやっとご理解を頂くのが大変でしたが、これも天国で真っ先にお詫びしなければならない宿題の一つです。

その後城東区聖水洞の地下鉄の駅前に良き教会堂が与えられましたが、ここでも若い外事警察官がやはり毎週のように教会の周辺をパトロールに来て下さり、恐縮至極でした。韓国警察に祝福あれ! ハレルヤ‼